top of page

「裏ポーク」で60億超の脱税

  • 執筆者の写真: oda
    oda
  • 2016年7月11日
  • 読了時間: 2分

外国産の豚を輸入する場合、国内の養豚業を保護する等の目的で特別な関税を課す、いわゆる差額関税制度があります。

基準価格を決めておき、それ以下で輸入しようとした場合、その差額を関税として徴収します。

例えば、基準価格100円のところ、外国から豚を安く50円で輸入する場合、差額の50円が関税として課税されます。そこで、悪い業者は、輸入仕入価格を高く申告します。本来の仕入価格が50円のところを、50円分仕入れ価格を水増しして基準価格の100円に近付け、差額関税を免れるという手段がまだまだ横行しているようです。

2008年には大手商社までもがこの差額関税に手を染めていたという新聞報道もありました。

不正取引にペーパーカンパニーの輸入業者等を複数かませることは常套手段です。もちろん海外の輸出業者もグルで、輸出業者、輸入業者とも価格を水増しした虚偽のインボイスを税関に提出し、それをダミー会社へ流します。ダミーからダミーに流され、最終的には水増し分を除いた本来の仕入れ値で不正業者が買い取る手順です。

複数のダミー会社は高く仕入れて安く売りますので、赤字が膨らむばかりですが、当然税務署に申告などしませんし、すぐに解散してしまいます。これが資金の流れや責任の所在を闇から闇に紛れ込ませ、課税、徴収を困難なものにしています。


最新記事

すべて表示
税務署の調査と国税局資料調査課の調査の違いと対応のポイント

「税務調査」と聞くと、会社や自宅に調査官がやってきて帳簿や領収書を確認する場面をイメージされる方が多いと思います。 実は税務調査には 税務署による調査  と 国税局資料調査課による調査  の2種類があり、それぞれ役割や対象が異なります。...

 
 
 
インボイス制度と税務調査の重点ポイント

1. インボイス制度の概要 2023年10月にスタートしたインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、消費税の仕入税額控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」の保存が必要となる制度です。 この制度によって、免税事業者との取引処理や経過措置への対応、請求書の管理体制の強...

 
 
 
【知っておきたい】税務署の異動時期と税務調査のタイミング

こんにちは、税理士の小田です。 今回は、税務署の“異動時期”と“税務調査”について、ちょっとした裏話も交えながらお話ししてみようと思います。 税務調査と聞くと、なんとなく構えてしまう方も多いかもしれませんが、「ああ、そんな流れなんだな」と知っておくだけでも、少し気が楽になる...

 
 
 

コメント


bottom of page