税務署の調査と国税局資料調査課の調査の違いと対応のポイント
- oda

- 9月5日
- 読了時間: 3分
「税務調査」と聞くと、会社や自宅に調査官がやってきて帳簿や領収書を確認する場面をイメージされる方が多いと思います。
実は税務調査には 税務署による調査 と 国税局資料調査課による調査 の2種類があり、それぞれ役割や対象が異なります。
この記事では、その違いと調査が入った場合の対応ポイントを、経営者・個人事業主の方向けにわかりやすく解説します。
税務署の調査とは
一般的に「税務調査」と呼ばれるのは、税務署による調査です。
担当:地域の税務署の調査官
対象:中小企業や個人事業主など、その地域の納税者
目的:申告内容が正しいかどうかを確認すること
税務署の調査は日常的に行われるもので、幅広い納税者が対象となります。調査官が会社や事務所に来て、帳簿や領収書を確認し、必要に応じて説明を求める流れです。
国税局資料調査課の調査とは
より専門的で規模の大きな調査を行うのが「国税局資料調査課」です。
担当:国税局に設置された「資料調査課」の調査官
対象:大規模法人、複雑な取引、悪質な不正の疑いがあるケースなど
目的:通常の税務署調査では把握しきれない大規模・特殊な事案の解明
グループ会社間の複雑な取引や海外取引、資産隠しの可能性がある案件などが調査対象です。調査官は専門性が高く、複数年にわたって調べられることもあります。
違いを簡単にまとめると
項目 | 税務署の調査 | 国税局資料調査課の調査 |
担当 | 地域の税務署 | 国税局(資料調査課) |
主な対象 | 中小企業・個人事業主 | 大規模法人・複雑案件 |
調査の性質 | 日常的な調査 | 専門的・重点的な調査 |
イメージ | 一般的な税務調査 | ワンランク上の調査 |
調査が入ったときの対応ポイント
調査の種類にかかわらず、次のような対応を心がけると安心です。
1. 帳簿や資料を整理しておく
領収書・契約書・請求書は日ごろから整理整頓し、会計ソフトの入力も定期的にチェック。「すぐに提示できる状態」にしておくことが何より大切です。
2. 調査官には誠実に対応する
調査官は法律に基づいて調査をしています。隠したりごまかしたりすると、かえって疑念を招き、調査が長引く原因になります。誠実な対応を心がけましょう。
3. 顧問税理士に立ち会ってもらう
調査時の説明ややり取りは専門的な内容も多いため、税理士が立ち会うと安心です。調査官とのコミュニケーションもスムーズになります。
4. 普段から正しい処理を心がける
調査が来てから慌てるのではなく、日常の会計処理を正しく行っておくことが最大の備えです。万一誤りがあっても、自主的に修正申告を行えば重いペナルティを避けられるケースもあります。
まとめ
税務署の調査は、地域の納税者に対する一般的なチェック。
国税局資料調査課の調査は、複雑・大規模な案件を対象とした専門的な調査。
どちらの調査でも、日ごろから帳簿を整え、誠実に対応することが最も大切です。
顧問税理士と連携して準備しておけば、万が一調査があっても安心です。
税務調査は突然やってくることもあります。事前の準備と専門家のサポートで、落ち着いて対応できる体制を整えておきましょう。


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