インボイス制度と税務調査の重点ポイント
- oda

- 2025年8月22日
- 読了時間: 3分
1. インボイス制度の概要
2023年10月にスタートしたインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、消費税の仕入税額控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」の保存が必要となる制度です。
この制度によって、免税事業者との取引処理や経過措置への対応、請求書の管理体制の強化など、実務面で大きな変化が生じています。
2. 税務調査の基本スタンス
国税当局は従来と同様に、不正計算や過少申告の可能性がある納税者を重点的に調査します。インボイスの記載不備のみを目的とした調査は行っていません。ただし、調査に入った場合には、帳簿とインボイスの突き合わせにより、取引の実態確認が行われます。
3. 調査事例
事例1:免税事業者からの仕入処理
経過措置の控除割合を誤計算 → 修正申告に。
事例2:インボイスと実態の不一致
請求書と納品書の数量が不一致 → 過大な仕入控除を指摘。
事例3:架空取引の疑い
実際には仕入れていない商品でインボイスを受領 → 架空計上が発覚し重加算税。
4. 税務署が重点的に調査、確認する観点
確認項目 | チェックのポイント | 留意点 |
インボイスと帳簿の整合性 | 登録番号や消費税額が帳簿と一致しているか | 単なる保存ではなく、帳簿と照合 |
経過措置の適用状況 | 免税事業者からの仕入控除率の誤りがないか | 特に間違いが多い |
取引の実態確認 | インボイス記載内容と納品実態が合致するか | 架空・水増し取引を見抜くためのチェック |
電子保存の適正性 | 電子帳簿保存法に基づいた保管か | スキャナ保存・データ保存の要件 |
不自然な仕入・経費計上 | 事業規模と比較して仕入が過大でないか | 不正計上の有無を確認 |
5. 実務上の留意点
インボイスは「形式要件」より「実態確認の証拠」として重視される
経過措置・免税事業者取引は誤りが起こりやすいため注意
電子保存を活用し、帳簿との突き合わせを効率化
6. まとめ
インボイス制度の導入後も、調査の基本は「不正や過少申告の可能性がある納税者を重点調査」することに変わりはありません。
インボイスの細かな不備が直接の調査対象となるわけではなく、取引実態と帳簿・インボイスの整合性が重視されます。
日常の処理を整えておけば、税務調査に対しても安心して対応できるでしょう。
7. 専門家へのご相談をおすすめします
インボイス制度は新しい制度であり、経過措置や電子保存など細かなルールも多くあります。少しでも不安を感じた場合や、調査対応に備えたい場合は、税理士など専門家に早めにご相談されることをおすすめします。


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