• oda

高すぎる役員退職金


 人気泡盛を製造販売する沖縄の酒造会社が創業者への退職金が高すぎるとして国税当局から追徴されていた事案で東京地裁は平成28年4月22日、創業者への退職金は不相当に高いとは言えないとし、課税処分の取り消しを命じた。

 法人税法上、役員報酬や役員退職金については、恣意性が入る余地が高いことを理由に、同業他社と比較したうえで不相当に高いと認められる部分については経費と認めないとしている。

 しかし、東京地裁は、創業者のこれまでの会社の経営や成長に貢献を考慮すれば、同業他社の最高額を超えない限り高すぎないとして同社の主張を認めている。国税当局も慎重かつ勝てるように、また、必ず勝つために有利なように国税自ら同業他社を選定したうえで、更正もし、訴訟にも臨んだはずであるが、結果負けてしまっている。

 この訴訟では、役員退職金のほかに、役員報酬についても「高すぎる」として更正し追徴しているが、この役員報酬については「同業他社の最高額を超える分は高すぎるでしょう」として国の主張が認められていることからすると、「痛み分け」判決のような感じがしないわけでもない。

 同業他社を選ぶのは国税であり、その選定次第で判決に重大な影響が出ることからすると、国税当局の同業他社の選定過程をより明らかにすることも、納税者側からは求めたいところではある。


閲覧数:26回0件のコメント

最新記事

すべて表示

2022年11月22日の読売新聞を開くと「小規模事業者 税軽減へ インボイス 消費税の2割 有力 政府検討」とある。 売り手は買い手に対し正確な消費税率や消費税額などを記載するなどの要件を満たした請求書、いわゆるインボイスを交付し、買い手はそれを確実に保存することで消費税の仕入税額控除を受けるという「インボイス制度」の趣旨が、どんどん崩されているようで、現在でも免税事業者への一定の軽減措置など税軽

インボイスが導入される令和5年10月1日前である今現在、普通に免税事業者からの請求書に消費税は記載されています。 消費税の仕入税額控除の面からもきちんと区分記載請求書の体裁が整っていればたとえ免税事業者との取引であっても仕入税額控除は可能です。 これが、インボイス制度後はどうなるのでしょうか。 インボイス登録事業者でない免税事業者が、消費税を記載した今まで通りの請求書等を発行することを禁止する規定

令和4年9月6日読売新聞社は東京国税局がゴルフイベント企画会社の法人税脱税を報道しました。 6月29日付で法人税法違反の疑いで東京地検に告発していたということですのでいわゆる『マルサ』の仕事ですね。 有名女子プロゴルファーを招いた交流イベントの運営企画で儲かったが、税金を圧縮するため、架空のグッズ製作を委託したとする外注費を計上するなどの不正手口で関連会社含め約6900万円を脱税した疑い。 架空外