ある税務署の総合窓口でのこと、
年配のお父さんが、税務署の総合窓口で順番待ちをしている。
「お待たせしました!」女性の窓口担当者が対応するようだ。
ようやく自分の番が回ってきたので、持ってきた手提げ袋から書類を引っ張り出し、
窓口のカウンター越しに書類を提出した。
税務署の窓口担当者は、提出された書類をしばらく確認した後、
「書類をお預かりします。どうもご苦労様でした」と年配のお父さんに声をかけ、
ポン!と乾いた音で受付スタンプを押した。
受付スタンプのポン!という音は、書類を提出しに来た納税者をほっと安心させる効果がある。
やっと提出が終わった。
あ~一安心。
年配のお父さんは、提出した書類の控えを受け取ると、窓口担当者に一礼し、次の順番待ちの人と入れ違いに帰り支度を始めた。
そこで、お父さん、
「あれ、さっきの書類なんだけど、マイナンバーを書いたんだけど、本人確認はしなくていいの?
たしか、マイナンバーを提出するときには、免許証かなんかで本人確認するんだよね?」
(お父さん、よく知ってる。勉強してる・・)
そういわれて固まったのは税務署の担当者。
「いや~、まあそうですけど・・・あ、はい、・・・確認します。すいません」
これは、窓口担当者のミスではないようです。
マイナンバーの導入時の無用のトラブルを回避するために、あえて、積極的にマイナンバーに触れないようにしているようです。確かに、クライアントの書類を代理提出する際にも、マイナンバーに触れられたことは一度もありません。
法律では、マイナンバーを提供する際には厳格な本人確認が義務づけられています。
しかし、法律で決まっていながら、行政の運用面で、その制度があやふやにされているようですね。
来年3月の確定申告も、今の対応が続くのでしょうか。
例年確定申告では、税務署は長蛇の列です。
1件1件本人確認していたら、税務署の窓口は回らないでしょう。
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