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パナマ文書とタックスヘイブン


パナマ文書とは

「パナマ文書」という言葉が世間の話題となっています。先進国の名だたる首脳を含む富裕層が租税回避地いわゆるタックスヘイブンを利用しているという実態を暴露したもので、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出(?)した資料ということでパナマ文書と言われているものです。このパナマ文書をドイツの有力紙「南ドイツ新聞」が入手し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ:ワシントン本部)に提供したことから、世界中のニュースとなりました。

タックスヘイブン(租税回避地)

税金の課税されない、あるいは著しく低い国や地域のことを言いますが、明確な定義はありません。

タックスは「税」、ではヘイブンとは何か、天国という意味のヘブン(HEAVEN)ではありません。これでは『税天国』になってしまいます。しかし、税金が著しく優遇されているという意味ではこの『税天国』でもあたっている感じはあります。

ヘイブンとは、英語でヘイブン(HAVEN)避難する場所という意味です。タックスヘイブン、いわゆる租税回避地ということになります。

タックスヘイブンは、税金が無い、もしくは著しく低い上に、顧客の秘密を厳密に守ることから取引の匿名性が高く、税務調査も非常に困難なことから、グローバルに活動する多国性企業や富裕層の節税や脱税、資産隠しだけでなく、犯罪組織、テロ組織等のマネーロンダリングなどの温床ともされ大きな国際問題となっています。

タックスヘイブンを利用する富裕層の多くは、無税で不動産や絵画を所有し、私用ジェット機やクルーザーをリースあるいは購入しても、その匿名性からほとんどのケースで税負担を回避しています。

パナマのほか、バージン、ケイマン諸島などが主なタックスヘイブンの例です。

タックスヘイブンを利用して金融資産を保有あるいは取引することそれ自体は、直ちに違法とは言えません。

タックスヘイブンは、規制が大らかで簡単に会社を設立することが可能です。

タックスヘイブンにある法律事務所等は、実際の運用者を秘匿し、その運用を手助けしているようです。

近年は、国際的な情報交換制度が整備されつつあり、多くのタックスヘイブンでの資産隠しは困難になってきています。しかし、この情報交換の枠組みに入っていないタックスヘイブンもまだまだあるようです。その一つがパナマです。それゆえ、このパナマに各国首脳等富裕層の資産が集中したのかもしれません。

税務調査

国際取引の調査は、海外送金の痕跡やタックスプラン等書類の収集、分析と検討を行い税法に照らし合わせ課税しますが、国境を超えた取引の調査は非常に困難を極めます。特にタックスヘイブンに設立される法人はほとんどペーパーカンパニーですから、このペーパーカンパニーからペーパーカンパニーへの資金移動はほとんど追跡困難で、また、現金が無記名の債権等に変わるなど、その姿をどんどん変化しつつ複雑なスキームの中を資金が移動していく様は、資産所有者でももはや把握困難なのではと思われるほどです。

国税当局に海外での調査権限はありません。また、取引内容の調査は、相手国の調査協力が前提ですので、特に秘匿性が売りのタックスヘイブンなどでは情報開示を拒まれて断念せざるを得ません。

しかし、それでも当局は地道にも10年ほど前から、各国間での口座情報や税務情報を交換する体制を整えていった結果、現在、96の国や地域と租税条約や情報交換規定を結んでいます。ケイマン諸島、英領バミューダなどからは情報を得られるようになりました。

一方、海外への資産異動の把握を目的として、2014年から海外に5000万円を超える資産保有者に情報申告を義務化し、2015年7月には、1億円以上の有価証券所有者が海外転居する際にその有価証券の含み益に課税してしまう、いわゆる「出国税」を導入もしています。

世界的にも2008年秋のリーマンショックが一つのきっかけとなり、多くの利益を上げているにもかかわらず、全くと言っていいほど税金を納めていない超有名多国籍企業に対する批判が強まったことから、主要20か国・地域(G20)首脳による金融サミットで、タックスヘイブンへの規制強化で合意しています。また、主に先進国で構成し多国籍企業の租税回避対策でルール作りを先導してきたOECD経済協力開発機構が提起した国際協定により2017年から各国地域で口座情報等が交換されることになっています。タックスヘイブンにも金融機関情報等の開示を要請しています。

このような国際的な税逃れ封じの流れの中で、法律や規制を作る側の政治家が密かにタックスヘイブンを利用していたとする実態が暴露されたわけで、結局、法規制も何もかも抜け穴だらけで、絵に描いた餅を偉い人たちで一生懸命に作っているような感じなのです。

タックスヘイブンの利用は直ちに違法とは言えませんが、問題とされているのは「道義的責任」なのでしょう。

(参考)

日本の実効税率・・・2016年度で29.97%

ケイマン諸島、バハマの法人税率・・・0%

事実上のタックスヘイブンとされる国

シンガポール・・・17%

香港・・・16.5%

スイス・・・17.92%


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