ふるさと納税とは、今お住いの居住地とは別の自治体に寄付すると、寄付額から2000円を差し引いた全額が住民税と所得税から減税される制度です。
「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」、「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」として創設されました。
本来の制度理念はその通りなのですが、今は、自治体の返戻品競争の場となっていて、寄付額の半分以上を住民サービスではなく返戻品の購入に充てている自治体が多いそうです。
ふるさと納税を受ける自治体にとっては、収入が増えますし、返戻品を扱う地元業者にもお金が回り一石二鳥の制度となっていますので、ますます返戻品競争が激しくなっています。
ふるさと納税をする7割は3大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)の住民です。都市部の自治体は減収となりますので(住民税収が減る)、本来、待機児童や高齢者介護対策に使う予定の財源が失われることによる住民サービスの低下懸念は無視できないとの指摘もあります。
返戻品の例としては、・寄付のお礼に特産品とは程遠いパソコン、商品券、・幼児向け教育ソフト付タブレット「ⅰPadミニ」、・健康センターの入浴回数券付デジタルカメラなどがあげられます。
この返戻品競争に総務省は4月、「行き過ぎ自粛」を求める通知(昨年4月に続き2回目)を自治体に出しました。強制力はありませんので、その効果は疑問です。
熊本地震
先般の熊本地震による被災地支援として、熊本県の被災自治体へのふるさと納税が急増しています。「返戻品を辞退する」という方も多くいるそうですね。また、熊本の被災地では自治体も被災していますので、自治体の事務を支援する形で、いったん他県等の他の自治体を通して、熊本の被災自治体へ寄付するという、ふるさと納税代行も実施されています。
もっとみんなで制度を活用しやすいように(支援しやすいように)、寄付額の限度額を上げるなどの施策が必要ですね。
全額控除されるふるさと納税(年間上限)の目安として、総務省ふるさと納税ポータルサイトに情報が掲載されていますので参考にしてください。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_2_kojin.html
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